左翼的?右翼的?政治的思想の強い人を採用しにくい理由

経営豆知識

左翼的?右翼的?政治的思想の強い人を採用しにくい理由当社は規模が小さな会社ですが、そんな零細企業でも時折、採用応募の問い合わせがあります。

集客のために会社の発信力を高める取り組みをしていることの波及効果なのかもしれませんが、この人材難のご時世で採用活動をしなくてもご指名を受けるのはありがたい事だと思っています。

ちなみに面接希望の応募者の方には基本的にもれなく会う事にしています。

会う前には、事前に人となりを少しでも知りたいので、教えてもらえた範囲でツイッターやFacebookなどのSNSアカウントを見させていただくのですが、中には政治的思想が濃い発言を普通に繰り返している方も見かけます。自らの情報発信としてSNSを使う人が増え、例えば、原発・集団的自衛権・護憲・改憲・反政権などのように以前であればオープンにしづらかった主義主張を気軽に発言できるようになったということなのかもしれません。

で、実際に会った時に、そういった政治的思想について聞いてみると、ほとんどの方が隠すことなくストレートに発言してくれます。政治的な思想について、そのこと自体の良し悪しを言うつもりはありませんが、左翼的思想であろうが、右翼的思想であろうが、経営者から見ると採用しにくい面があります。

政治的思想の強い人というと、個人のSNS上での発言で炎上したりといったリスクを思い浮かべがちですが、採用しにくいと思うのは、それだけではありません。

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例えば、私がお客様相手の商売をする時に社員の資質として最も重要だと思うのはニュートラルな考え方です。

左翼的思想にしても、右翼的思想にしても、「自分の考え方が正しい」というところからスタートしています。ある意味、一本筋が通っていると言えなくもないのですが、ことビジネスにとっては、一方向からの物の見方しかできないと悪影響を及ぼすことも多いのです。

目の前に起こった事象が本人や会社にとって好ましい場合は良いのですが、好ましくない場合は「間違っているのは相手や周囲」と思ったら進歩はしません。「正しいのは自分」ではなく「ひょっとすると自分達が悪い」ことも含めて考えられないと様々なお客様により良いサービスを提供できません。

もちろん、政治や社会に無関心な人はいただけませんが、左翼的あるいは右翼的であったり、特定の政党や政治的な思想にとらわれず、個別の問題・課題について自ら考え、是々非々で臨めるような社会観を持った人であればと思います。

原発・集団的自衛権・護憲・改憲・反政権などについて、それぞれの人がそれぞれの考え方を持つのは構わないのですが、自らと異なる考えを入り口から排除するのではなく、福沢諭吉が言った「多事争論(違う意見を持つ者が議論する事がなにより大切であると言う事)」を尊重できる人が増えてもらいたいと思います。